#77岡田侑大が古巣を相手に牙を剥く。
リーグ屈指の日本人スコアラーとして異彩を放ってきた男が、信州から地元京都に移籍すると、今シーズンよりPGに挑戦。
「自分なりのポイントカード像を見つけていきたい」と心機一転のスタートを切った。
開幕からチームとして勝利を重ねることができない状況が続く中、5節終了時点で平均アシスト数でリーグ1位の6.1を記録。
数字だけを見れば華々しいスタートに思えるが、ポジション変更は岡田にとって簡単なものではなく、決して順風満帆とは言えない現実が待っていた。今も試行錯誤は続いている。
気迫を全面に押し出し、リングにアタックするもののシュートやアシストに繋げることができず、ターンオーバーを重ね、失点を許す。そんな場面が散見され、多くの課題が生まれた。
その一方、苦しい試合展開でも内に秘めた意気を示すかのようなプレーで一気呵成に得点を量産するなど、「これが岡田の実力か」と観る人の心を打つプレーで何度もチームを奮い立たせてきたのも事実だ。
「僕達は応援してくださる皆様のためにも目の前の試合に勝ち続けないといけない」
「満員のお客様が観に来た試合で負けると、次の試合に足を運んでくれない可能性がある」
「負けることは恥ずかしいし、悔しい」
岡田は常に勝敗の責任を背負っている。
決して岡田のためだけのチームではないが、地元東山高校から全国屈指のプレイヤーに成り上がり、B.LEAGUEの世界でも輝きを放ってきたからこそ、観る者は岡田にあらゆるモノを求めてしまう。それは岡田の本領を知っているからだ。岡田に懸けているからだ。
すべてが上手くいくほど、B.LEAGUEの世界は甘くない。
岡田も新たな挑戦の中で、歯痒い日々を送っている。
しかし、挑戦があるから失敗が生まれ、失敗があるから成功に近づける。
岡田にとっての挑戦は、京都ハンナリーズにとっての挑戦だ。
「勝った姿を皆様に見てもらいたい。僕達はそのために戦っている」
その勇姿を、超満員のアリーナで。
岡田なら絶対にやってくれる。