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#030 登っていくために



序盤から自分たちのバスケットボールが展開できず、ディフェンスの強度を保てない。
4連勝と好調で迎えた三河戦は、相手のペースで進められる苦しい前半となった。
京都は後半に立て直しを図り、アグレッシブなディフェンスからオフェンスに繋げていく。
良い流れで三河を攻め立て、一度は3点ビハインドまで詰め寄ったものの、ここで相手を押し切ることができず、最後までリードを保たれたまま敗戦。
昨年チャンピオンシップに出場した三河との対戦を大きな山場として捉えていたが、あと少し及ばず、連勝は4でストップ。
ここまで7戦を終えて、5勝2敗となった。


 

「勝ちたかった。すごく悔しい。でも、シンプルに三河は強い」。
試合後、村上直GMは、悔しさを滲ませた。そして、その反面、潔く今日の負けを受け止めているようにも感じた。
「プレマッチでもわかっていたけど、やっぱり芯があるというか、そういう強さのあるチームやったね。相手のペースで進んだゲーム展開。相手はターンオーバーが少ないチームで、流れを簡単に渡してくれない。基準が高いチームだなと思った。強かったね」。
その敗北に点数以上の大差を感じたのか。はたまた自分たちにとって自信に繋がる敗北だったのか。村上GMは、少し悩んでから口を開いた。
「勝てる点差でもあったから、もちろん自信にも繋がっているとは思うよ。ただ、三河は試合を通して自分たちの強みを出し続けていて、自分たちは逆にそれができていなかった。
フィジカルがあって、スピード感に欠ける相手に対して、自分たちは平面でしっかり勝負することが重要だとミーティングでも話があった。走ることやトランジションの部分。
わかっていたのに、そういうことができていない時間帯が多かった。
今日はそこの部分。そこに大きな差はない。だからこそ勝ち切りたかった」。



この手が届きそうで届かなかった今日の試合が次に繋がっていく。明らかな敗戦ではなかったからこそ、そう信じたい。
そして、今年のチームは、目の前で起きた事実をしっかりと受け止めて前に進んでいくことができる。
「そもそも、そんなに簡単に勝てるとは思ってない。今まで順調だったかもしれないけど。ただ、負けを良いものにしていくという観点では、昨年だったら『個人として仕事をしないと』っていう感覚を選手一人一人が持っているような感じだったけど、今のチームは『チームとして、次にどうしていくべきか』という考えを持っている。この考え方があれば、これからも必ず登っていける。
『あの時、三河にやられてよかったな』って思える時も来るはず。そういうチームだと確信してる。だから、そこまで心配じゃないし、選手もプラスに捉えてるよ。
もう少しのところ。だからこそ前向きに考えられる要素も多い」。強がって前を向いているわけではない。戦っていくごとに自分たちの現在地が見えてきている。



「雰囲気はすごく良いけど、それだけで終わったら意味がない。この先、連勝することもあるだろうけど、逆に連敗することも絶対にある。そうなった時にどうしていくか。そこが大事。
選手もコーチ陣もスタッフも上手くいかない時に、他に矢印を向けずに、みんなしっかりと自分に矢印を向けることができる。『チームのため』、『家族のため』っていうマインドがベースに絶対あるから。
どれだけ負けても、どれだけ勝っても、そこだけしっかり大切にしていれば、最終的にはしっかり勝ち上がって良いチームになってるはず。チームってそうじゃないとあかん」。

勝てなかった時こそ、仲間を信じる。勝てなかった時こそ、仲間のために成長しようと思える。
村上GMの想いは、選手に伝えなくても、それぞれが理解している。その答えが敗戦後の
ロッカールームにあった。
次を見据えて前を向く男達の表情。掛け合う言葉。
その姿に頼もしさを感じた。今日の負けは、確実にチームを成長させる。



取材・執筆 / 京都ハンナリーズ広報部 笠川真一朗

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