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#038 チームのための自己表現




千葉ジェッツに2019年以来の勝利を挙げ、ここまで9戦を終えて、7勝2敗と好調を維持している京都ハンナリーズ。
大きな勝利を挙げた前節では、澁田怜音が負傷するというアクシデントが起こった。
しかし、チームはここで崩れるほど柔じゃない。多少の長短はあるものの、ここまでの戦いを振り返ると12人全員がプレータイムを得て、最後まで全員で40分間を戦い切るという京都ハンナリーズらしい戦いが展開できている。
目標であるプレーオフ進出、そしてその先を見据えて戦う過程の中では、厳しい困難がまだまだ待ち受けているだろう。
どんなことが起きても選手・スタッフは、その現実から目を背けず、正面から向き合いながら、常に最善の準備を進めていく。
そして迎える明日の秋田戦。虎視眈々と熱い思いを持って練習に取り組む水野幹太がいた。







【水野幹太との対話】




ー 千葉ジェッツに勝った。率直な気持ちを。
嬉しかったです。僕が京都に在籍していた3年間は一度も勝てずに、逆転負けもありました。悔しい思いを本当に選手だけじゃなくて、スタッフも社員もみんな持っていたので、チームで勝てたことが本当に嬉しかったです。








©B.LEAGUE



ー 幹太のアグレッシブな部分、魅力が徐々に出てきているように感じる。
長崎戦以降、「アグレッシブにやろう」と自分の中で決めていて、ミスがどうこう気にせず、自分の良さをチームのために出さなければ、プレータイムはなかなかもらえません。
むーさん(伊佐HC)も僕の良さを理解してくれていると思うし、その中で自分がどれだけチームに良い影響を与えられるかが大切。
短い時間で結果を出すことは難しいことですけど、それでもやり続けます。
勇人(川嶋)さんは、短い時間でもインパクトを残しています。
自分にもエナジーは絶対あるし、ディフェンスでもオフェンスでもアタックに行くこともそうですし、インパクトを残していけたらと思っています。







ー チーム状況としても幹太の存在が重要になってくる。
大チャンスだと捉えたいです。一番手として怜音が出ていたわけですし、自分でもワクワクしている部分が今あります。その中でもやることは変わらず、しっかり自分のプレースタイル、ディフェンスから流れを作っていきます。
「怜音みたいにやろう」とかじゃなくて、本当に自分がやれるべきことをやってチームに貢献したいです。
怜音は悔しいはずですし、いつも本当に切磋琢磨していますし、だからこそ、僕もここでしっかり結果を出せば、怜音が出てきた時に本当にチームが今以上に良くなると思います。
チームのためにも、僕等がステップアップすることでチームに良い影響を与えられます。
怜音は同級生で、中学校の頃から知ってるし、いっぱい対戦してきて。そしてプロになってから同じチームになって。勝負の世界だからどちらかのプレータイムに長い短いが生まれます。
多分、怜音も同じことを思っているかもしれないけど、同級生が活躍して嬉しい反面、めっちゃ悔しい。そういう気持ちもあります。
怜音は活躍できていて、自分は活躍できてないとか。リスペクトを持った上で本当に悔しかった部分もあります。前の京都の頃の3年間は、僕が出てる時間も多かったので、その時、怜音も絶対悔しかったと思います。
でも、今は一緒に戦えて嬉しいし、その中で怪我で本当に悔しいと思うけど、僕も怜音の分まで頑張ろうって思います。お互いに高め合っていくためにも僕が成長しないといけないですし、それで結果的にチームに良い影響を与えられると思います。






ー ここまでのチームはどう?
本当に良い雰囲気で、素直に楽しいです。試合に出られない悔しい気持ちもあるけど、みんなが活躍するのは心から嬉しいですし、その分、自分も活躍したいっていう気持ちも大きくなっています。リスペクトを個人が全員に持ってるし、ベンチも盛り上がれるし、それが負けてる時でも勝ってる時でもできます。
それは今までにないチームの良さだなって思います。今は勝ってるからっていうのもあるかもしれないですけど、多分、負けることがあっても今のチームはこのまま良い雰囲気を保つことができると信じています。








ー 今までそんな風に思ったことはある?
基本的に何でも楽しいって思うタイプですけど、雰囲気に関しては絶対今が一番良いです。キャリアの中でもベスト。
こんなにお互い切磋琢磨して、各々プレータイムが欲しいとかもあるかもしれないですけど、その中でも出れない時間でもしっかり周りのことを応援してるし、出た時にチャンスをちゃんと掴もうってみんなが思ってるのってなかなかないと思います。
全員が最終目標に向かってしっかり走ってるイメージ。
むーさんが大切にしているチームのアイデンティティ「助け合う」っていうのも自然にみんなができています。





ー 幹太も3年前より、自分に矢印を向けるようになった気がする。
それはすごく嬉しいことなんですけど、チームファーストが過ぎてしまって、逆に悟さん(前田)とか勇人さん(川嶋)に、「今までのお前じゃない。もっとガンガンいけ!」って言われて。
そういう部分は正直あると思う。すごい選手がこのチームにはいっぱいいて、そこで周りを見すぎて、自分を消してしまっている部分が多いなと思いました。
ふたりは僕のメンターみたいなところがあって、悪い時とか上手くいっていない時に声を掛けてくれます。
自分でもモヤモヤしていた部分があって。人に合わせないといけないっていう気持ちが大きくて、殻に閉じこもってるみたいな。自分の今までのアグレッシブさが少しなくなっていた。
昨年からメインがポイントガードになって、今までは2番やったり1番やったりだったんですけど、実は昨年も同じような悩みがあって。
攻めれてはいるんですけど、引力ある選手が多いとそれを探してしまう。どうしても目で追いかけてしまってパス中心になって、攻める気がないって思われている。みたいな状況。
そこで今は悟さんと勇人さんが「お前らしくない。もっと思い切っていけ。みんな助けてくれるから」って話をしてくれて。
隆一さん(岸本)は絶対カバーしてくれると思うし、みんなに対しての信頼もあるし、むーさんも試合前、選手の名前が呼ばれる時に「ミスを恐れてるかわかんないけど、もっとアグレッシブにやっていい」と言ってくれました。
今は何も考えず、良い意味でアタックできるところをアタックして、パスできるところをパスして、これで無理だったら周りに頼ってパスしっかり回そうとか、そういうマインドでプレーできています。
今はまだプレータイムが少ないけど、自分の魅力をしっかり出して、チームに貢献できたら絶対増えてくると思いますし、そしたらみんなも疲労も軽減できます。
自分で行くっていう気持ちを見せたら相手も寄ってくるし、そうなったら自分の強みであるパスとかアタックがより一層生きてくると思っています。
自分勝手にやるとかじゃなくて、チームのための自己表現をしたい。
やってやろうって今本当に気合い入ってます。








【伊佐勉HCとの対話】





ー ジェッツ戦が終わって秋田戦に向けて、どのような準備を。
ディフェンスのインサイドを固めるチームなので、そこに対してのオフェンスの確認ですね。ゾーンディフェンスを多くしてくるので、それに対するオフェンスの確認を。
秋田にはマーク・スミスというすごく良い中心選手がいるので、彼にどれだけ好きなことをやらせないかというところも対策しながら。そして、自分たちがやりたいディフェンスができるように。
最後、スリーポイントショットで終わるシーンが相手は多いので、そこをローテーションまできっちり対応できるようにして40分間しっかりやっていきましょうと。そういった部分の話をしました。





ー 全員が試合に出場して、全員で得点を挙げるなど、良い戦いができている中、澁田の部分でアクシデントがあったが。
ポイントガードが1名欠けた状態になると思います。特に渡辺竜之佑、水野幹太には怜音(澁田)と同じことを求めていません。
自分の立場、自分の得意とする部分で、カバーしていってほしいです。
彼らの魅力はあのサイズでガードができるっていうのが強みなので、ボールプッシュして、周りの選手にいかに良い状態でボールを触らせられるか、シュートを打たせるかっていう部分。
ディフェンスに関しては、ガードから外国籍まで誰でもつける選手なので、しっかりプレッシャーをかけて、ファウルを気にせず持ち味のアグレッシブさを出してもらいたいです。
誰かが欠ける状態は望ましくないですけど、そういう場面はいつ訪れるかわからないです。その時のためにも日頃から全員にプレータイムがありますし、特に竜之佑と幹太はプレータイムが増えると思うので、それはふたりにとっては成長に繋がるチャンスになるかもしれません。自分のできることをしっかり発揮して、チームに貢献してもらえたらと思います。
変わらず、全員でバスケットボールをしていきます。




ー 明日、またホームに帰ってきて試合ができる。ファン・ブースターの皆様に一言。
ホームコートをしっかり守れるように、ファンの皆さんと共に、一つの勝ちを取りにいきますので、応援よろしくお願いします。





取材・執筆 / 京都ハンナリーズ広報部 笠川真一朗

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