#046 失敗は悪いことじゃない

12試合を終えて、8勝4敗。
連敗を喫した前節から、チームは5対5のメニューをはじめ、連日ハードな練習を敢行。
チームは今、苦悩の時間を迎えている。それでも試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ前へ。
この時間をプラスに捉え、各々が成長を目指す。
今回は、4名の選手と伊佐勉HCにインタビューを行った。
チームは明日、東地区4位の強敵・東京サンロッカーズに挑む。

【西部秀馬との対話】

ー 課題や良くなっている部分など、今、感じていることは。
自分のやるべきことと言いますか、短い時間帯で何をしなければいけないのかを考えています。
僕としては、限られた時間で自分の良いところを見せなければいけない部分もありますし、自分が出ていない時間帯にベンチで何ができるかも考えないといけません。
プレータイムを勝ち取れていないのは、そこまでの信頼がまだ得られていないということだと思うので、もっと頑張っていきたいです。
ー また試合が続く。次の試合に向けてどういう気持ちを持っているのか。
ハードなスケジュールもありますし、ここもひとつの正念場だと思います。そういった部分で、絶対に自分の時間は回ってくると思いますし、自分がやらなければいけない時間帯だったり、このハードなスケジュールの中でみんなが疲れてきた時に、自分が他の人たちを休ませられる時間帯もあると思うので、自分のできる限りのことをしっかりして、積極的にシュートを打ったり、ハードなディフェンスをしたり、ベンチにいる時間帯でもチームを鼓舞したり、声を出したり、そういう部分で少しずつ自分のリズムを作ってやっていけたらと思います。

【澁田怜音との対話】

ー 負傷で離脱することになったが、今の率直な気持ちは。
みんなの戦う姿を見て、「早く復帰したいな」とか「リハビリを頑張らないと」という気持ちになりました。帯同はできないですけど、共に戦うというところは気持ちとして変わらずにあります。
ー 前節の試合を自宅で見て感じたことは。
負けてしまいましたけど、負けたからといってシーズンが終わるわけじゃないし、昨年そういう悔しい思いをみんなしてきたから、まだまだできることは絶対あるし、そこから学ぶこともあると思います。これから良い方向に進んでいけるように、チームとして一皮むける時なのかなと思いました。
試合を観ることに関しては客観的に見れた部分があって、いつもと違う観点から試合を観ることで、得られたことがありました。それはすごく良かったです。「ここをもっと狙えるな」、「こういう時は、自分ならこうしよう」とイメージしながら見ていたので、良い勉強になりました。
ー 今後に向けて。
チームが試合に負けることも悔しいですけど、コートに立てないことが一番辛い。だから一日でも早く戻れるように頑張りたいですし、そのためにやれることは、全部やりたいです。コートに立てないことに比べたらリハビリもトレーニングも全然辛くないので、しっかり頑張っていきます。

【マイケル・フィリップスとの対話】

ー ここまでを振り返って。
すごく面白いシーズンだと思っています。良いことも悪いこともありますが、その中でも一番素晴らしいと自分の中で思うことは、チームが一つになっていることです。
ー 日本に来て1シーズン目。プロとしてのキャリアもスタートしたばかりで、悩みもあると思う。
上手くいかないことも多く自分自身に対してすごくフラストレーションが溜まっている気持ちは正直あります。
でも、その原因は自分自身にあります。自分がエナジーをしっかり持っていると思っていても、そのエナジーが良くない方向に向かって、良くない効果をチームに与えてしまったり。自分自身の単純なミスもあるんですけど、そういった部分は改善すべき点だと思っています。
ただ、僕はチームメイトに恵まれています。チームメイトは僕のことを助けるために何でもしてくれていて、特にベテラン勢であったり、スタッフであったり、常に自分のことについてフォーカスして思いを語ってくれます。
僕にフォーカスしなくても、僕がミスをしたら僕の責任だから、気に留めなくても良いのですが、それでも「マイキー大丈夫だよ」、「次はこうしよう」と自分ごとのようにアドバイスをしてくれて助けてくれます。僕自身に向けてのメッセージをくれる。
そういった考えや言葉を自分自身に送ってくれているので、それを自分自身しっかり受け止めて、今よりどんどん良くなっていきたいです。
改善点は沢山ありますが、チームの一員として力になっていけるようにもっと頑張ります。
ー 東京サンロッカーズ戦に向けて
次のゲームも、すごくタフなプレーをしてくるチームと戦うことになります。on4で戦ってくるので、自分たちにとっては初めての経験にはなると思いますが、自分たちのやってきたことを表現したいです。自分たちにとっては良いチャレンジです。頑張ってきます。
ー 京都ハンナリーズでプレーをしていて、今はどんな気持ち?
買い物に行った時に「マイキー!」、「応援してるよ!」と声をかけてもらえることがあります。
それは僕にとって今まで1度も経験したことのないことです。
それぐらいこの地域の人たちがチームを応援してくれているっていうのが本当に嬉しいです。その分、しっかり頑張らないといけないなって思わせてくれるので、皆さんも本当に素晴らしい存在です。
皆さんのためにも成長した姿を見せていきます。

【岸本隆一との対話】

ー 前節、連敗したところからどのように過ごしてきたか。
何を考えて次に挑もうか、ということを考えたんですけど、マインドセット的にはあまり変わっていません。
結局、どれだけ良い試合をしたとしても、次に向けて改善しなければいけない点は絶対にあるので。その繰り返しだと思います。具体的な点で言うとプレーの選択の部分。そういう部分を自分なりに少し整理して過ごしていました。
ー 12試合を終えて、身体や気持ちの状態は。
個人的には徐々にゲーム感というか、そういう部分も含めたコンディションもしっかり上がってきたかなと思います。怜音(澁田)が離脱してしまって、その影響でラインナップだったり、今までと違う起用法もあって、そこに対してのアジャストはありますけど、コンディション的には良い状態かなと思います。
ー 明日の試合に向けて。
今、上位のチームに勝つことで、やっぱり自分たちの自信に繋がっていくと思います。現状、僕等は勝率の高いチームとも戦える反面、自分たちより勝率が低いチームにも負けてしまう。それが今の実力だと思うので、試合もそうですけど、日頃の練習に取り組むところからもう一度、謙虚さを持って、地に足をつけていくことが大切だと思います。
明日も間違いなく強い相手ですので、しっかりぶつかっていけたらいいかなと思います。

ー もう一つ聞きたい。隆一さんも若い頃に歩まれた道があると思うが、今、若い選手たち、例えばマイキーは色んなことを覚えたり、幹太(水野)も自分の良さを出すために苦悩していたり。そうやって苦しみながらもがいていく場面が見受けられるが、そんな姿は隆一さんの目にどう映っているのか。
大前提として、僕自身も自分のことで精一杯というか、必死です。なので、なかなかそこまで気が回っていないんですけど、苦しむことは本当に悪いことではないと思っています。
もちろん、その瞬間は嫌ですし、居心地も悪いと思います。正解がない中で動かなければいけない苦しさはあるんですけど、僕自身も振り返ってみて、「それがあったから今があるんだな」と言えるように、自分なりにキャリアを積んできたつもりです。
今この瞬間が大変でも、本当に自分のためになっていると思います。何より、その積み重ねがチームの勝利に直結すると思います。
彼らだけじゃなくて、リーグとしても、例に挙げたら申し訳ないですけど、千葉ジェッツだったり、長崎だったり、例年に見られないような状況と言いますか、勝ちが伸びていかない状況で、横から見ていても、すごく苦しんでいるんだろうなという思いはあります。彼らの力を知っている分、恐らく彼らにとって、この時間も大切になってくると理解しているから受け入れられていると思います。
メンバーも変わって、昨シーズンとは違った進め方をしている彼らは、今、本当に長いスパンで見たときに、すごく大きなものが得られるという経験をしているんじゃないかなと思っています。もちろん、自分たちも同じです。
そういう意味では、苦しむことは絶対に悪いことではないですし、その上で結果にこだわってやっていく中で、自分自身、身に付くものがあると思います。だから、自分も本当に真正面から向き合って、みんなを手助けできることがあればいいなと思います。
本当にどう伝えるべきか。今も表現の仕方も難しいですけど、幹太もマイキーもそうですけど、彼らの姿は、もはやかっこいいとも思っています。それだけ本気で向き合っている証拠だと思いますし、さっきの千葉ジェッツや長崎の選手の話もそうですが、今の上位チームでは得られない何かが、そのチームに生まれている瞬間だと思います。もちろん自分たちもです。
自分自身もまだまだ上手くいかないことは沢山ありますけど、それは自分たちだけではありません。それでも最後まで信じて積み重ねていった先に、唯一無二のチーム、唯一無二の選手になれると思っています。
そういうことを伝えられるタイミングがあったら良いなと思います。

【伊佐勉HCとの対話】

ー 前回の試合が終わってから今日までチームは何を大切にしてきたか。
連敗してしまっているんですけど、暗くならずに次に向かうことが大切だと思って練習をしてきました。
ただ、自分が何かを言わなくてもみんなしっかりと前向きに取り組んでいますし、特にその辺りは問題ないです。次はサイズがある東京サンロッカーズですので、そこに向けて良い準備ができたかなと思います。
ー 明日の試合のキーポイントは。
一番は僕たちのスタイルがどれだけ出せるかっていう部分が大きなテーマかなと思います。逆にそれが出せないと相手はサイズとフィジカルがリーグの中でもトップクラスのチームですので、難しい試合になります。
自分たちらしく平面でフルコートをオフェンスでもディフェンスでも使っていきたいなと思っています。
ー プレータイムを得るために、色んなことを覚えようとしたり、どうやったら自分の良さをチームのために出せるかというところで、どの選手も必死にもがきながらやっている印象がある。その辺りはどう捉えているのか。
そうですね、努力している姿をこちらも見て感じています。全員使いたい気持ちはものすごくあるけれど、プレータイムが少ない選手が悪いわけではなくて、その他の選手が良いという判断で起用しているだけです。
引き続き、ハードワークをしてもらいながら、試合中に良い選手がコートに長くいるべきということはチームとしても大前提なので、そのチャンスが来るまでしっかりやり続けてもらえると嬉しいです。
プレータイムをしっかり勝ち取る努力をやり続けてほしいなと思います。
ー 選手たちが長いキャリアを過ごしていく上で、果敢に挑戦していく時間や壁に当たって悩む時間も大事なのでは。
そういった時間は大切だと思います。やっぱり誰でもルーキーの時期もありますし、若手の時期もあります。
だからといって簡単にプレータイムがもらえるというのも違います。
僕はタイムシェアするから毎試合みんな出ていますけど、そこに甘んじることなく、平均プレータイムを1分でも1秒でも伸ばせるように努力し続けることが大事かなと思います。
やっぱり努力しているのは見えていますし、努力は報われるべきだと思いますけど、努力が報われる世界ではないとも一方で思っています。
そこは適材適所もありながら、コンディションとか含めて、しっかり出られる準備を常に全員やっていってほしいです。
チーム全体で戦っていけるように、今後もチームとして成長していけたらと思います。

取材・執筆 / 京都ハンナリーズ広報部 笠川真一朗
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